幻影異聞録#FE
メーカー:任天堂
開発:アトラス
機種:WiiU
発売年月日:2015年12月26日
価格:7236円
ジャンル:RPG


広告(良かったら買ってくれぃ)
 
通常版 豪華版

設定資料集

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 8 5 8 9 9 5 80
プレイ時間…100時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
いいね!最高だよ!(チキ風に
《システム・バランス部分》
・RPGとしては非常に古典的な作りでガチガチのコマンドバトル形式でアクション要素が全く無い。最近は変にQTE要素を絡めたりアクション要素が強い物が多かったりで、本作みたいな『古き良きRPG』みたいな作りは逆に新鮮に感じる。オープンワールドゲーやらアクション的なシステムやらがチヤホヤされがちな昨今ではあるが、本来ならもうちょっとこの手の古典的な物を発展させたゲームだってあっても良いとは思う。最近よくカテゴライズされる『J-RPG』と言うよりはスーファミからPS2時代の古典的な日本のRPGの延長上にある内容、とは言えるかも。その点ではかなりジジイホイホイな内容であるとは思う。

・バランス面では弱点を狙って攻撃を繰り出す事で追加攻撃を狙える作りなのが楽しい。敵側に関してもコンボを狙って攻撃してくるため、ザコでも気を抜くと危ない手強さが心地良い。『敵の弱点を突き、味方の弱点を守る』みたいな戦略性が生まれているのはナイス

・やたらとオタ層に媚を売った軟派な見た目に対して、ゲームとしてはしっかり骨太な作りになっており、遊びごたえはある作り。見た目だのの軽さ・キラキラっぷりには終始軽く辟易しとるのだが、しっかり中に入り込める作りである点は安心した。事前の期待値が物凄く低かったせいもあるが、ゲームとしての完成度は折り紙つき。しっかり楽しめる本格派ではある。

・ゲームパッドをタブレットに見立ててLINE風の使い方をしていたり、WiiUならではの要素ではある。必然性があるかって言えばそうでもなく、どっちかと言えば『ムリヤリWiiUの為にでっち上げた感』はある。ただ、他の任天堂作品に比べればそんなに不愉快な使い方では無いのは良かった。

・一発で食らうダメージが大きく、難易度は高めで歯ごたえがある。ただし難しい一辺倒でもなく、難度調整が可能で緩くもできる。アトラス製RPGに慣れたユーザ向けに更に難しくもできる配慮があるのも良い。あんまりアトラスゲーに縁の無かったわしには到底ムリ難度じゃが…(苦笑


《デザイン部分・世界観・シナリオなど》
・雰囲気作りに関しては、万人向けの物ではないと思う一方、ブレも無いな、とは思う。シナリオの描写で暗転を多用するなど、低予算(≒売れそうにない)の弊害から来るのであろうケチってる部分も相応にあるが、デザインの方向性って意味ではしっかり割りきってまとめられた物になってると思う。

・下記で挙げた欠点はあるけれど、ノリとしては王道的であり、しっかりそれ相応に練られた感もある。


《グラフィック・サウンドなど》
・BGMは表に出てくるタイプでは無いが、質は良い。ほんのり入ったFE成分も、まぁほどよいアクセントにはなっているかと。少なくともくどさは無い。

・グラフィックも『時代の先端を行く美麗さ!!』とかとは無縁だが、3Dモデルも良く動き、モーション自体も豊富で滑らかで違和感は少ない。『無難に良く出来ている』を地で行く完成度かね。
ダメだよ。やり直してね!(またしてもチキ風に
《デザイン部分・世界観・シナリオなど》
・インテリジェントシステムズ側がほぼノータッチっぽいので事前に覚悟はできてたが、ファイアーエムブレム成分はほぼ無い。いや、実際はFEとのコラボ要素は結構あるにはあるし後半に行くに連れて色んなネタは加速度的に増えては行くんだけど、全てが表面上の物であってでジャンル的にも純アトラス・純RPGでありファイアーエムブレムと絡む意義を見出し難い。それなりに説得力を持たそうとの意図は読めるけども、展開がいちいちわざとらしいのが微妙に引っかかるし、必然性のある描写かって問われると正直「ウ〜ン…」な気もする。正直、「こういう展開ならファン喜ぶでしょ?」って開発側のあざとさが浮き出てくる感じすら受ける。

・事前にある程度覚悟はしてたがやっぱり終始キツいのがやたらとナンパでアニメ・萌え系方面のオタク層にターゲット絞ったような設定&デザイン&シナリオ。遊んでみればすんなり遊べる事は遊べるんだが、どうも常時『あー、オレってターゲットじゃねえんだな…』って疎外感が寂しい(苦笑)。東京って言っても妙に『オタクの好む東京』過ぎるのも逆に狙いすぎな感あり。広さに対してイベントが少ないのも減点要因か。

・かと言えば、どうもファイアーエムブレム成分がFEやってない人には「あんた誰?」・「それ何?」要素にしかなってない気も。フルに楽しめる客層を必要以上に絞り過ぎ。変にファイアーエムブレムとのコラボを前面に出すよりは、足枷を外して普通にアトラス製で任天堂ブランドとしての共作RPGに留めておけば良かった気もするが。ラノベ的なデザイン・シナリオ共々、客層を絞り過ぎてると感じる部分ではある。

・セリフ回しがかなりクサい。…というか、それすら通り越して胡散臭い自己啓発系の教材みたいな内容に片足突っ込んじゃってる部分もあるよーな気はする。描かれ方自体にブレは無いが、シナリオそのものが軽く全体的に薄っぺらい。少々興醒めする部分も。

《バランス部分》
・武器に秘められた力を装備してる内に習得する…と言った流れはFF9的。これは良いんだが、武器が単純な強弱のみで選択肢の幅は狭く、順繰りにスキルを習得したら次に…ってだけであり、使い分ける楽しさってのは無い。ここはちょっと惜しい。

・主人公をパーティから外せないので、パーティの自由度って点で物足りなさはある。ゼノブレイドみたいに主人公を外せる作りでも問題なかったと思うのだが?

《システム・快適性》
ロードは結構長い&多い。戦闘前に6〜7秒、フィールドの移動も同様。細かい部屋の移動が多いフィールドはかなりイヤになる。戦闘は普通に回数はこなすタイプのゲームなんで、地味にイライラが募る。戦闘中においてもセッション(相性が良い時の追加攻撃)は回数が4回5回と増えると地味にテンポの悪さが気になる。任天堂ブランドで出すからにはもうちょい頑張って欲しかった点ではあるな。本作より酷いゲームも多い事は多いが、任天堂ブランドって枠なら本作でも十分酷い。任天堂ユーザこそ『快適そのもの!ストレスゼロ!』なんて言えないと思う。

・地味にしんどいUIの文字の小ささと配色。『背景が白で文字が黄緑、しかも小さい』とかね、ほんと嫌がらせにしか思えんな。ゼノブレイドXの時も散々文句書いたけどこの部分はホント、任天堂は7〜8年他より遅れてると思う。頼むから愚直に他陣営の経験した失敗をそのまま繰り返すのは勘弁してほしい。

・マップに関してはTV側に表示してくれてても良かったと思う。視点移動が頻繁になり過ぎて逆に不便よね。

・ゲームパッドを端末に見立てての操作はあるが、結局のところは古典的なRPGに過ぎんわけで、WiiUゲームパッドオンリーのプレイにも対応してくれてても良かったとは感じる。

《グラフィック・サウンド》
・女性キャラの乳揺れが露骨。みんな『峰不二子状態』なんだが、そこまでする必要あんの?

・会話できるキャラ以外がただのシルエットとか、この辺りもPSPやVitaのゲーム臭い手抜きなムード。悪い意味でのJ-RPGっぽい手抜きだと思う。

・キラキラな見た目通りではあるが、作中の楽曲がことごとくアニソン全開な曲ばかりで、対象層から外れてるっぽいわしとしては、雰囲気的に少々辛い…(苦笑)。演歌歌手って事になっとるまもりならもうちょっと演歌っぽくても良かったと思うし、曲ごとの個性って意味ではもうちょっと考えて欲しかった。ここも対象層絞り過ぎ。

《点には反映させてない悪い点》
・ここ最近のFE本編やゼノブレイドXなど、任天堂作品の中ではコア向けとされるゲームでやたら露骨になってきた切り売り型のDLコンテンツの乱発。100の物を10…20…と足して行くのでなく、本来入っててもおかしくない要素まで切り売りして分割で更にカネを吸い取るバンナム型のDLCがすっかり定着した感がある点は残念。2011年頃までは事ある毎に『任天堂はお客様との信頼感を最重要視します!』で他メーカを引き合いに出してほぼ直接批判までしてたクセに、ここ数年は連呼していたそのフレーズも完全に封印して『金払いの良いヲタ層・コア層からは絞れるだけ絞る事にしましたワ』だから、任天堂の姿勢そのものに対してのガッカリ感ってのはやっぱある。『どこのメーカもやってるから今更、別にいいじゃない!?』とか、そういう問題じゃないのよね。男気を貫いてた任天堂が掌返しでこういう事やってるのに対して、わしゃ失望してんだよな…(笑
とりあえず感想だよ、お兄ちゃん!(あくまでチキ風に
 初出時はアトラスの女神転生と任天堂&イズ社のファイアーエムブレムとのコラボとして発表された作品だが、内容的にはコラボ作品って言うよりは『殆ど純アトラスRPG』って言ってよろしいかと。タイトルに入ってるのはファイアーエムブレムだが、ノリ的にもシステム的にも一番近いのはたぶん『ペルソナ』。
 第一印象は『アニメとかその方面の媚び方がヒドイ』・『Vitaとかで出てる萌えゲー・ギャルゲーのノリと何ら変わらん』であり、結構な時間を経た今もシナリオや世界観に対しての印象はそこから大きな変化はなし。ただし、ゲームとしては『古き良きRPG』であり、意外と戦略性も深いバランスで失礼ながら骨太な作りではあった。事前の期待値が物凄く低かったせいもあるが、思いの外、楽しめたのも事実。

 ムリヤリ一言で言えば『任天堂がどっかと組んでVitaあたり向け(として出そうな萌え萌えの)ゲーム作ったらこうなりました〜!!』って感じなのかね。最初は拒否感が強かったけども、まぁゲームとしては骨太だからこういう物があっても良いのかもね…とも思う。…キラキラっぷり、シナリオの軽薄さ・薄っぺらさとか含めると、こういうのは個人的にはあんま肯定はしたくないけど、アレな見た目・テイストだけで敬遠されてる方がいるとすれば、案外オススメしたい作品でもある。今なら3000円以下で安く買えるしな、この値段なら多少合わなくても絶対お釣りは来る出来かと。


 この作品を通して任天堂が今後ファイアーエムブレムをヲタ層獲得用シリーズとして再定義し、ファイアーエムブレム本編の扱い自体が今後この作品のテイスト寄り(≒極端なラノベ・萌えアニメ路線)になったら嫌だなぁ…とは思ってたが、売上面3〜4万本程度で大爆死したっぽいので、恐らくは大幅な路線変更は避けられたか。ゲームとしての出来の良さに反して売れてないって点では気の毒だが、この作品が20万とか30万とか売れに売れてFE本編側が路線変更される可能性が低くなったっぽい点は安堵した(苦笑)。WiiUの普及度を差し引いても、覚醒ifで入ったFEファンもここまでの路線変更は望んでないだろう、たぶん。長く続くシリーズだから多少の変革はやむを得ない部分だが、特定層に媚びたあんま極端な味付けは勘弁して欲しいとも思う。

掲載日:2016年1月4日
更新日:2016年5月23日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
7 8 5 9 10 9 6 83
プレイ時間…50時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良いところだ!受け取れ!(クロム風に)
・開発元のアトラスの女神転生と似たようなバトルシステムだが、それに加えて本作は相手の弱点を突いて的確に戦わねばならず、よく考えて行動しなければならないバトルシステムはとても面白い。高難易度になればなるほど豊富なスキルや多様なキャラクター性能を考慮した上で敵との相性を考えたりしなければならないので、自分の駆け引きや戦略によってしっかり進めていく面白さはかなりのものである。

・難易度調整が非常に絶妙で、難しい難易度を求めるハードゲーマーの自分でも初プレイの難易度ハードはかなり唸らされた。難易度を下げるとかなり簡単になり、親切な仕様も加わったりするのでRPGがかなり苦手な人にもしっかり対応してあるのは素晴らしい。更に一度クリアすると難しさを求める人のためにお馴染みのルナティックが追加され、これもまた最近のファイアーエムブレムシリーズのルナティックを思い出すような絶妙な高難易度っぷりでこの難易度調整に関してはかなり良かった。前述の戦闘システムとも組み合わさってハードゲーマーの自分としては高難易度であればあるほど面白さが引き立って面白かった。

・サブストーリーの充実っぷりや戦略の豊富さ、闘技場や周回プレイに対応した高難易度といった要素が豊富でかなりボリューム満点。

・敵やミラージュのキャラデザイン、仲間の衣装といったデザイン面も中々良かった。萌え系のデザインの陰に隠れがちだが、男の衣装や敵のデザインも好み。

・自分が好きなジャンルではないので良いのかどうか断言できないが、萌え系のキャラの出来はそこそこ良い方かと。最近のアニメや萌え系のゲームが好きな人には本作のキャラは魅力的に映ると思われる。声を当てている人も有名処ばかりで、覚醒等の共通のキャラは同じ人が当てているので好きな声優さんが本作にいるなら特に良いかと。

・ゲーム内の音楽は実際に現実の芸能界の曲を多く手掛けているエイベックス社が本作の邦楽製作に関わっているだけあってわりとしっかり出来てあった。基本的にはアニソン的な雰囲気ではあるが、曲自体の出来はしっかりしている。歌が上手い声優さん達をわざわざ起用しただけあって歌い方も中々のものである。キャラが歌う曲以外のゲーム中の音楽も悪くなかった。
これは…まずいみたいね…(シーダ風に)
・序盤や終盤はともかく、全体的にあっさりとしたシナリオが続く。さらにキャラが言ってる事に同意しかねる事が多く、シナリオ的にもっと掘り下げてほしいところも多かった。

・いわゆる複数人パーティながらも主人公固定なのが気になる。三人パーティはともかく主人公固定で尚且つ同時にパーティに入れられる仲間の数が少ないというのは個人的にはあまり好きでははい。

・サブストーリーがキャラクター性を崩壊させるような物が多く、登場人物を魅力的に思っていてもサブストーリーでその魅了を容赦なく破壊してくる事がある。一度決めたキャラ性は突き通してほしかったところ。

・ネットスラングをゲーム内でもよく使っていたり、全体的なキャラやシナリオは萌え系のオタクさんのみを完全にターゲットにしすぎている。かなり露骨に媚びているような萌えネタや微エロネタはそのテのジャンルが好きでない自分のような人にとってはキツい…。

・バトル中での演出が長かったり、細かなロードが入ったり、文字が小さかったりとちょいちょい快適じゃないところも。終盤は細かい情報がかなりバトルを分けたりするので細かい情報が分かりにくいのは不便だった。

・登場しているファイアーエムブレムシリーズのキャラのミラージュ達だが、出展元が初代(暗黒竜)と覚醒からしか出ていないのには物足りなさがあった。キャラが多すぎる故に選別が難しいのもあったのだろうが、逆に二作という枠から選んだせいでちょっと無理のある選別になっているようなところも…。例えば斧使いのアーマーナイトとして初代からドーガが出ているが、ドーガは元々のキャラ性が少ない上に斧は使ってないので少々無理な出演だったように感じる。個人的には同じアーマーナイトで斧を使っておりキャラ性も強い、烈火の剣に登場したヘクトルが出てくれたりした方が違和感無かったかなあと。
感想ですけん。
 アルツ社長がWii Uのゲームの中では随分と薦めているようなので安くなってきた頃に買ってみた幻影異聞録♯FE。

 ゲームの取っ掛かりではかなり萌え要素多めの世界観やシナリオばかりだったので、正直言って最初はドン引きした。しかしながらゲームを進めていくとアトラスの女神転生シリーズを思い出すような出来の良いバトルや良く出来ている難易度調整といったこのゲーム独自の魅力が次から次へと出てきた。

 惜しむべきはシナリオ、キャラ面か。こればかりは好みも大きいかもしれないが、萌え系のキャラやブレすぎているサブストーリーや、あっさりとしたシナリオが辛いところも。こればかりはゲームの趣旨と合うかどうかもあるのだろうが、自分としては普通のキャラやシナリオの方が受け入れやすかった。

 最初の世界観や前情報だけだと正直言って自分は面白いようには思わなかったが、肝心のバトル部分に突入してくると一気に面白味が増すようになってきた。始める前の雰囲気だけにとらわれてはいけない。しっかりとしたRPGを遊びたい人にもかなりお薦めできる。

掲載日:2016年12月5日


機種別一覧(WiiU)に戻る

レビュートップページに戻る

縮緬遊戯堂トップページに戻る