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オクトパストラベラー
メーカー:スクウェア・エニックス
開発:アクワイア
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2018年7月13日
価格:7344円
ジャンル:RPG


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パッケ版 DL版 設定集

ついでに干しタコでもどうぞ。

執筆: アルツ社長  (暫定評価)

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 7 7 6 5 7 3 64
プレイ時間…20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よかですたい。
《グラフィック・サウンド部分》
HD-2Dとだか宣伝されとった光源処理と組み合わせた3Dのドット絵の雰囲気はバツグンに良い。下記の欠点の欄で挙げたような欠点もあるにはあるが、この部分はホントに見応えはあるし、ジジイホイホイ的な魅力を備えていると思う。まぁこの懐かし路線のプレイヤー側の思い出補正をフルに刺激してナンボの要素だと思うんで、『古き良き』の『古き』部分を知らん若い人(≒PS3世代以前のゲーム機は知らんよ、みたいな10〜20代の人)が遊んで良い表現と思えるかは保証しかねる部分ではあるが。

・BGMはあんまメロディラインが表に出て来るような印象の強い曲は少ないと思うけど、生演奏でしっとり聴かせるような曲が多くて、場の雰囲気にはしっかり馴染んでいる。フィールドの曲も戦闘の曲も場面に合った感じでバリエーションもあって良い。レトロRPGって言うとメロディラインが強いゲームが多かったから、この部分に関してはあんまレトロじゃないけど、純粋に環境音楽路線の曲としては出来は良いかと。

・声優の演技自体は良好かと(↓で挙げたようにボイスのアリ/ナシの境目の不自然さは気になるが)。

《システム・バランス部分》
・「敵毎に何個か仕込まれた弱点を突くと大ダメージ」なるペルソナシリーズ的な戦闘バランス。少々敵が固くて戦闘が長引きやすいのが難点だが、巧く弱点を突いて1ターンで一掃できたりすると爽快感も味わえて良し。サブのジョブが増える辺りから色々プレイヤーが自由に選択肢を選べる感じで、一気に自由度が上がる。この部分は何故か作中で隠し的な扱いになってて非常に分かりづらいんで、攻略サイトさんでも見てでもサッサと集めるのを推奨(苦笑)。

・ロードは全体的に軽く、ワープとか込みで待たされる事がまずないのは◎。

・好き勝手なタイミングでセーブできる訳では無いが、やたらと頻繁にセーブポイントが用意されていて、尚且、フィールド切り替えのタイミング毎に自動でもう1個オートでセーブされる。「長時間セーブして無くて――」みたいな事故はまず起こらんって点で親切かと。

《シナリオ・テキスト部分》
・最近のJ-RPGと呼ばれるジャンルのゲームだと『世界中を旅してるのに町が1コしかない』みたいな不自然なゲームもあったりしてゲンナリする事もあるけど、このゲームは色んな町があって見た目・雰囲気にバリエーションがあって、色々旅してる気分になれる、って点が良い。この辺はタイトルの『TRAVELER』に偽りナシって感じではある。

・変に捻った展開が無く、ある意味では王道的であり。アレだね、なんか水戸黄門とかその手の勧善懲悪モノの時代劇にでも通ずるようなベタっぷりが、ある意味では逆に潔いかもしんない(※一応褒め言葉な)。まぁ水戸黄門は見ればスカッとするけど、こちらオクトパストラベラーは表現が必要以上に回りくどいかつ薄く……(…って以下ダメなトコの欄へ)。
だめですばい。
《シナリオ・テキスト部分》
終始気になるテキスト部分の貧弱さ。「グッと引き込まれる」がまるでナイ、ってかその対極にある軽さ。一見重厚そうで深みがあるようなテキストの表現が多いのだが、実際のところは必要以上に回りくどい表現を多用してるだけな感じで、全体的に陳腐で安っぽい、そしてサムい薄いクセにくどいのがタチが悪い。ボス戦の前など長々とお説教チックなセリフを吐くのだが、それがシナリオに深みを与えているかっていうと別にそうでもなく。設定やら各々のメンバーとの関係性を深める描写があるでもなく。システム重視型のスクウェアのRPGと言えばロマンシングサガとか思い浮かぶが、あちらが世界観・シナリオまで含めて重厚に練り込まれとるのに対し、こちらオクトパストラベラーはちょっと割り切り過ぎな気がするのよね。ここまでテキストが弱いとロールプレイング(≒なりきり及びそれらへの没入感)って観点では、どうしてもキャラへの愛着なり作品自体への没入感なりに於いて強烈なネックになっちまってる感はあったり。説明不足かつ蛇足なのよね。説明が足りない上にプレイヤーの想像力も掻き立ててくれないって意味で物足りなさばかり感じてしまうのである。

・8人のメンバーが徐々に集まってパーティを組んで行くのだが、「〜〜のために一緒に行く」って動機の描写一切無く、ただ「仲間が必要だ」→「〜〜が仲間になった!」って表示があるだけで、「なんでコイツら一緒に行動してんのかね?」ってずっとモヤモヤしっぱなしである(苦笑)。道中も各メンバー各々のシナリオが単独で進み、イベントシーンでは該当メンバー以外は居ない扱いであり、仲間との絡みはほぼ皆無。この部分が物凄く素っ気なく、かつ不自然に思えてしまった。メンバーに良識派のカタブツが多いので、アウトローな盗賊と一緒に居るとか傍らで盗みを黙認しとるとか、もはや意味判らん、コイツら価値観的に絶対相容れないと思うんだけど……。特にもうちょっとマシな描き方・誤魔化し方とかあったんでない?

・そこの村出身の主人公に対しても「ここは〜〜の村だぜ」とかテンプレなセリフを吐く村人が多すぎてゲンナリ。道具屋の娘とか一旦外に出て中で親に会話したら「ここは道具屋です」とかヒドイ…(苦笑)。ここももうちょっと何とかなんなかったか?何もドラクエの1まで逆戻りせんでも…。

・アイテムや呪文の名前が味気ない。呪文はドラクエのヒャドとかFFのブリザドみたいな造語じゃなくてド直球の『氷結呪文』!んで、アイテムも『SP回復の〜〜(大)』みたいな感じで。いやー、変に分かりづらいのも困るけど、もうちょっとやりようはあったのでは…(笑)。

《システム・バランス部分》
弱点を突かないとザコでもなかなか数を減らせない。そのせいで、戦闘での足止め感が強い。それに関連してだが、サブのジョブ解放とかゲーム内では一切誘導が無く、フィールドマップの分かりにくいトコにドロップしてるような感じ(通常ルートから外れた地点に祠とかあって、そこでドロップアイテムの如く習得できるが、分かりやすい表示とか通常のシナリオに絡めるとか一切無い!)のが非常に不親切に感じた。これ、攻略サイトなしで探すのとか、苦痛以外の何物でも無いと思うんだが…。戦闘での『敵弱点を探るコマンドの選択肢の無さ』なる序盤のダルさを解消する上で必須とも言える要素なのに、あろう事かこの部分(サブのジョブ関連)は一切プレイヤーに対して誘導もヒントも無い。これ、気付かん人は気付かんと思う(実際、わしは8人中4人分の第2話を消化するまで気付かず、戦闘・稼ぎ作業が非常にダルかった)。『ブレイブリーデフォルト』みたいに外伝クエストとして分かりやすく用意してくれてれば、取り漏らしとかも無いと思うし、だいぶ印象も違ったと思うんだが。他の部分はやたらと親切なのに、あろう事か戦闘バランスの改善に直結するハズのここだけ何故か投げっぱなしなのが残念

・控えメンバーはドラクエで言えば『ルイーダの酒場やモンスターじいさんに預けっぱなし』と同じで一切経験値が入らず。そのクセ、話を進めるには全員使うのが実質必須(必要レベルが跳ね上がるので)。経験値の入りやらも悪い上に8人全員育てるのを要求されるため、稼ぎの作業がホントめんどくさい。んー、ここは『全員常に一緒に行動してて控えにも経験値が入って戦闘以外では入替え可能』くらいで良かったと思うんだが…。

・「一般人と戦う」とか「村人から盗む」とかフィールドでのコマンドもウリに宣伝しとったが、実際のところはシラミ潰しにぷちぷちと作業的なだけであり、失敗したら最寄りのセーブ地点から渋々やり直して……って…課金集金アプリのリセマラ的な作業に直結する感じで、印象はあんまし良くない。

・会話できないただの看板同然の村人の割合が高かったり、店は中に入れずメニューが出て来て終わりだったり。この辺は3DSのブレイブリーデフォルトでも感じた点ではある。

・そもそも主人公とか概念の無いゲームだと思うんだが、何故か最初に選んだ主人公をパーティから外せない(≒結局は誰を選んでも1/8に過ぎず、個々のストーリーに他のメンバーが一切干渉しないんで)。自由な編成とか言う点でここの部分が変に足枷になっちまってるのが残念。

《グラフィック・サウンド部分》
・ウリのグラフィックはオンリーワンの存在感はあるんだが、被写界深度の効果(ボカシの効果)がやたらドぎつく表現されとるんで、ピントが合っている部分(=主にプレイヤーキャラ)以外の手前と奥の風景の描画は全体的に滲みが強い。また、画面のそこかしこがキラキラ光る演出も多い。そのせいかどうかは判らんが、アクション等の動きの激しさが無いのにやたら目が疲れるように感じた。オプションか何かで効果の強弱とか調節できれば良かったかな。

・ドット絵の綺麗さって部分がよく宣伝されてたが、エフェクトで派手にピカピカと飾り立ててるだけであって、ドットの動き自体は実はそれほどでもない。

・画面の暗転でイベントを端折る描写が多いのは萎える。

・ボイスの有/無の場面が割とバラバラで、1つのイベントシーンでもフルボイスから急にパートボイスになったり、その逆もあったり。何やら低予算っぷりが浮き出てる感じで、なんかPS1のB級RPGやアドベンチャーゲームを思わせるトホホ仕様。個人的にはフルボイスってセリフ送りの待ち時間が発生してあんま好かんので、レトロ路線の本作ならこの部分こそ割り切って、ムービー以外はバッサリとパートボイス、もしくはボイス無しでも良かったと思う。
感想なり。
 体験版をやった時点でピンと来なくて、製作元が微妙ゲーを量産しとったアクワイアと聞いてスルーして、最近4割引で売ってるから買ってみたRPG。まぁ率直に言ってイヤな予感がしたんで回避したワケだが、それでも同時に魅力的に思える部分もあり、結局買ってしまった……のだが……うーむ。遊べないワケじゃないんだが、やたらと目に付く欠点が多いのが気になる。

 とりあえず第一に、ドット絵+豪華な光源なる独特な表現で醸し出される雰囲気はホント抜群に良い。一方、『昔のRPGを進化させたら〜〜』的な売り文句で宣伝されとったゲームだけど、実際の完成度は昔のスクウェアのゲームの方が遥かに上だったとは思う(=昨年にスーファミのクロノトリガーとかFFとかロマサガとか遊び直してたから、まず間違いナイ)。シナリオやシステムやバランスはやたら荒削りでまだまだ進化の余地はあるかな、と。
 そういう意味では今後のシリーズ化だとか更なる進化に期待したい存在ではある。……あるのだが、このチーム(スクエニ浅野氏チーム)って結局ブレイブリーデフォルトの最初のしか当たりゲーが無い辺り、素直に期待して良いものかは微妙ではある。全体としては『素材は良いハズなのに巧く料理されてないせいでナントモ微妙、ただしそこそこ食える』って域止まりかなァ。

 そんなこんなで、個人的には世間様で一部『神ゲー!』とか『こういう古き良きRPGの進化系が最高!』って声には賛同しかねるトコではある。良いとこもあるにはあるけど、それに比してなんか粗がやたら多すぎる気がするのよね……。そういう意味では発売日定価買いを回避したわしのカンは当たっておったのかもしれん。とは言え、粗が多いなりにそれなりに遊べてしまうって意味では相応に面白い部分もあるのだとは思う。

 言うなれば『グラフィック部分に全振りして他の部分のクオリティを満遍なくレベル落としたブレイブリーデフォルト』って表現するのが、今んトコ、わしの中では一番近いかもしんない。『神ゲー』とか絶賛するレベルでは無いかな、と。『シナリオ・テキスト筆頭に粗だらけだけど、何故かそれなりに遊べるジジイホイホイ系佳作RPG』(※ただしサブのジョブは自力で探すのがダル過ぎるから攻略サイトさんでも見て最優先でサッサと回収推奨)って感じで。
 しかし本作…わしみたいなジジイ・オッサン狙いにしては狙い所も完成度も微妙な感じなのよな…。どっちかって言うと返ってレトロ時代(ファミコン・スーファミ)の傑作をリアルタイムで体験してない若いユーザさんの方が素直に楽しめるんじゃなかろーか…いや、保証はしかねるが(笑)。

 しかしアレだ…、この路線のグラフィック、雰囲気ゲーとしては良い。昔のドラクエやスクウェアのRPGをリメイクして欲しいとは思う。グラフィックの表現はすんごい可能性を秘めてるとは思う。その辺、是非。

掲載日:2019年1月9日


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