縮緬遊戯堂　レビューランド　ゲームレビュー　《N64　ウェーブレース64》

ウェーブレース６４
カワサキジェットスキー
メーカー：任天堂
開発：任天堂情報開発部
機種：ニンテンドウ６４
発売年月日：1996年9月27日
価格：9800円
ジャンル：レース（ジェットスキー）

映像	音楽	快適性＆操作感	独自性	難易度・バランス	ボリューム	総合評価
9	10	8	10	7	6	93

プレイ時間…100時間以上
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点

すンばらしいッ！！

・ジェットスキーならではの独特な操作感が非常にユニークで波に乗る感触が実に爽快で病み付きになる。リアルタイムで変化していく波に合わせ、臨機応変に対応していく事が必要。常に気を抜けないという緊張感がたまらない。ウォーミングアップでまったりとイルカを追い回しているのも楽しい。

・波の表現が美しい。絵自体は別にそんなレベルの高い物じゃないと思うが、操作感と一緒になった上でのリアルさって意味なら、他の追随を許さぬ出来だと思う。表示ポリゴン数の少なさのため多少荒さはあるものの、それをも吹き飛ばすほどの驚きがあった。波に揺られるマシンに立つパイロットの自然な動きもイイ感じ。サンセットベイの波に映り込む夕陽、ミルキーレイクの時間とともに晴れていく霧など、美しい自然の描写も要チェック。

・波を切る効果音、そして爽やかさ全開のBGMのレベルの高さ。サウンドモードでしばらくまったりＢＧＭをかけっ放しにして他の事やってたりもしたなあ。ホント良い曲なんだ。たまらんですばい（なぜか九州弁）。『ヨッシーストーリー』や『どうぶつの森』で有名になる戸高一生氏だが、間違いなく氏の初期の代表作と言って良いと思う。

・パイロットはバランス型の速水涼太、加速特化のアユミ・スチュワート、驚異のコーナリング性能を持つマイルス・ジェッター、重量級で最高速重視のデイビッド・マリナーの4人しかいないが、4人とも個性的な能力を持っている。デブのオッサンの名前がデーブなのにはウケた。（個人的には尖った性能のジェッター氏が好みだ。ちなみに続編では彼一人だけリストラ！！ジェッター氏で遊べるのは64だけ！）

こりゃ～イカンですタイ。

・実際に遊んでみないと（更に踏み込んで言えば、やりこんである程度操作になれないと）恐らく面白さはまったくわからない。パッケージが地味で静止画もそれほど綺麗ではないため、没個性的なスポーツゲームと見られがちなのが勿体無い。

・キャラ格差は結構大きい。4名にそれぞれ強みがあるのは事実だが、加速特化型のアユミ・スチュワートは明らかに弱い。取説でも公式ガイドでもやたらと『初心者向け』と強調されているが、最高速が絶望的に低い・当たりに弱い・バランス崩しやすい…と重大な欠陥を抱えていて実際の所は明らかに上級者向けですな、これ。高難度で一番勝ちにくいの間違いなくアユミちゃんですもの（苦笑）。続編込みで『加速さえ良ければ初級者向け』って適当に取説で解説するの、誤解招くから止めて欲しかった。

・パイロットが4人しかいないのがちょっと残念。更にはコース数そのものも多くはなく、物量面ではやや物足りなさがある。

・ブイが設置された区域を通過しなければミスになってしまうため（4回まではリタイアにはならないが）走行ルートはある程度限定される。自由に走れない事を不満に思う人もいるかもしれんな。そういうモンだと思ってしまえばさほど気にはならないが。

THE　感想。

　題材はマイナーで外見の地味さからただのスポーツゲームと受け取られがち。しかし、その内容は超一級品。ここまで『波を感じる事ができるゲーム』って、直系の続編（ゲームキューブ版）込みでまだ存在しないんじゃないかな？

　マシン後部からの推進力で曲がると言うマシンの特性上、コーナーでこそアクセル全開でないといけないってのが慣れるまでは結構クセモノだったりして、操作方法が独特で難しい。ただミス無しで走りきるのは難しくないけど、タイム向上にはBボタンにわざわざ割り振られている『』そのため、とっつきは悪いが、思い通りにマシンを操れるようになれば、これほど没頭できるレースゲームはそうは見当たらないと思う。グラフィックこそ3世代も4世代も前のマシンでもはやレトロゲームの域に入ってしまうだろうが、ゲームそのものの出来の良さは現在でも通じるモノがあり、今やってもとても全然面白い。刺激を求める人に遊んでもらいたい隠れた名作じゃね、これは。ニンテンドウ64持ってるなら是非体験してみてもらいたいゲーム。値段も中古で大概500円以下で売ってるしナ。波乗り感を満喫すると言う点では『振動パック対応Ver.』でコントロールに振動パック装着して、ロクヨン実機にて遊ぶのが一番。

　ロクヨンがまだ動く、かつウェーブレース未体験の方、是非どうぞ。21世紀に入ってなお、このゲームより格上の同ジャンルのゲームは無いと断言していい。面白さは保証しますぞ！！…いや、万が一「俺には合わねー！！」とかなっても何か弁償するワケじゃありませんので、その辺は自己責任でどーぞ！！

掲載日：2004年12月12日

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