大乱闘スマッシュブラザーズ
for Nintendo3DS

メーカー:任天堂
開発:ソラ、バンダイナムコゲームス
機種:ニンテンドー3DS
発売年月日:2014年9月13日
価格:5200円
ジャンル:アクション(2D・格闘)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
8 9 8 6 8 8 83
プレイ時間…170〜180時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
THE 良いとこ!
・総じて新鮮味はあんまりないけど、全体的にまとまっていて欠点らしい欠点が無いのが最大の長所か。続編物として大安定の出来。驚きは無いけど面白い物は面白い。

<全体のバランス面>
・バランス的にはスピードそのものは初代に迫るくらい遅いと思うが、全体的な挙動は『DX』寄りに変更されたかなぁという印象。『X』は「やたら飛ばしにくくグダグダになり易い」とか「ランダムで勝手に転ぶ」とか変かつ強引過ぎるバランス調整の部分がどうも好きになれなかったが、今回はちゃんとスマッシュ攻撃で飛んでくれるのは嬉しい。

・COMのAIについては弱いレベルでも「飛び道具をシールド反射しまくり」とか人間離れした超反応盛り込みまくりだったインチキ臭い超反応が目立った前作よりはマトモに出来てると思う。弱いレベルの方は弱く、強くすりゃとことん強くなるので、幅広い層のプレイヤーに対応は出来てるように感じる。

・シリーズを重ねる毎にステージがゴチャゴチャして遊びにくい物が多数を占めるようになってしまったが、それを考慮してか各ステージを終点(真っ平な浮島一個だけのステージ)化できるようになり、各ステージのグラフィックやサウンドを楽しみつつシンプルな場所で戦えるようになったのは良いと思う。まぁ真っ平なだけだとどうしても平地に強いキャラが有利過ぎるんで、できれば戦場(平地+足場3つだけのステージ)化とかも加わると嬉しかったが、そいつぁ次回への要望って事にしときますか。

・ボタンが少ない事を考慮してか、キーコンフィグ機能が付いてるのは良し。完全に過去作と一緒にはできないけど、Wiiリモコン横持ちよりはずっとマシな操作性ゆえ、慣れでカバーできるくらいの範囲ではある。

・使用できる場所は限定されるが、自分の本体に登録してるMiiを戦士として使える試みも面白い。ネットでは使えないんで、Miiverseで速攻消されるような人物(アドルフ・○トラーだろうが麻○彰晃だろうがビン○ディンだろうが)でも遠慮なしに登録できるぞ!!(←オイ

・ネット対戦も標準搭載。特にラグが酷いでもなく、思ったよりは不自由なしでネット対戦を楽しめる。アルツ個人は腕前は全然ヘタレかつ格闘系アクションが苦手な人間なんで、どっちかというとガチンコでバトルするよりゃ観戦して誰が勝つか予想する『賭けモード』が結構楽しめたり。

<ゲームモード・ボリューム面>
・シリーズ初の携帯機向け作品だが、物量で劣る事はなく、しっかりじっくり遊べる充実の内容なのは流石。

・携帯機で多人数対戦しにくい環境を考慮してか、1人でも遊べるモードがしっかり用意されてるのは好印象。『フィールドスマッシュ』モード(『カービィのエアライド』で言う『シティトライアル』…フィールドをうろついてアイテムを入手し自分を強化して、その後にバトルを行う)みたいなのがあるのは良し。

・新規参戦キャラはネタ的にやたらシュールでアホ臭い物が多く、個人的には好み(誰が参戦するとか詳細は発売直後なんで、ここには暫くは書きませんけども)。Wii Fit以外は正直日本ではマイナーな人選ばかりな気もするが、まぁネタとしてもキャラの性能面でも面白いから良いと思う。

<演出面>
・シリーズ初の携帯機版だが、グラフィック面はほぼWii版『X』と遜色ない出来。ROMの容量は相当制限があって厳しいと思われるが、サウンド面でも大きく見劣りする事はなし。グラフィックは目をこらして見ると相当ポリゴン数をケチってるのが判るのだが、部分的には光源処理などWiiより上回っている箇所もあり、GC・Wii版より大きく見劣りは感じない。3DSでこのグラフィック、かつ秒間60フレーム維持は相当頑張ってると思う。

・BGMは前作『X』から引き続き著名なゲームの作曲家が多数参加してるだけあって、こちらも非常に豪華。任天堂のゲームじゃまず見かけない名前も結構多いって意味ではやっぱり凄い。悪い点でも述べてるけども、一本のゲーム『スマブラ3DS』としてのまとまりはカケラも無いんだが、あれこれバリエーションを楽しめるこのカオス感ってのは他のゲームじゃ味わえないわけであり、そう考えればまぁこれはこれでいいのかも。
OH,ぶーぶー!
<全体を通して>
・新鮮味はあまり無い。焼き直しやバランス調整の範疇に留まってる気がしないでもない。バランスや挙動が『X』よりも『DX』寄りになったと感じるけど、ベースになってるのは間違いなく『X』だし、これと言って斬新な要素があるわけでもない。物量があるから素材を用意するのが大変なのは判らんでもないが、新作の割にはボイスやBGM更にはステージなどなど過去作からの流用がやたら多いのは気になる。マルスの声とかに至ってはDXから10年間以上変わってない気が…。

・一見この手の格闘アクションにしては敷居が低そうに見えるし、任天堂自体もやたら前面に出して宣伝してはいるが、一通り不自由なく遊べるまでの敷居は実際はかなり高い。覚えるべき事柄・操作がやたらめったら多く、作品を重ねるごとに要素も確実に複雑化し、敷居は確実に上がり続けている。シリーズを重ねるごとにシステム自体が肥大化して万人向けで無くなっていった多くの格闘ゲームのシリーズと同じ道を、このスマブラも順調に(?)歩んでる気がしてならない…。キャラの魅力が圧倒的だからぼかされてるけど、この点はマンネリ化と合わせてユーザの振るい落としと言った点で結構なネックになって来てるとは思う。

・物量面は相当確保されてる面はあるが、一度クリアしたらもうやりたくないと思うような『やっつけ的な水増し要素』(全員で○○をクリアしろとか、一人用モードの競技場のゲームの多く)も多いと言う点ではバランス面ではお粗末な部分があると言わざるを得ない。こういうアクションゲームで物量があるってのは大したものだと思うけど、どうせなら多少ボリュームが減ってもどれも遊び続けたい要素である方が望ましい。

<操作・快適性に関して>
・ロードは前作『X』よりはマシだが、『DX』以前のほぼロード無しよりは確実に長く、とりわけ『短い』ってくらいでもない。バトル前後もその都度4〜5秒かかるから『快適そのもの』とは言いたくない(おれはこういう所にゃうるさいんだ!)。ゲーム開始時なんかは画面真っ黒で10秒くらい待たされるので「あれ?フリーズした?」とか、ちょっと心配になる。あれ最初に『Now loading』入れるとかできないもんなの?

・コントローラの差でやっぱり据置機版よりは遊びづらい。キーコンフィグはあるがボタン自体が足りないので過去作とおんなじ環境にはどう工夫してもならない。比較して並べると『GCコン>>Wiiクラコン>本作>>>Wiiリモコン』って感じか。

<各モードについて>
・画面の小ささによる見にくさってのは思ったよりは感じなかったが、解像度が低いせいで小さいアイテム(設置型のボムとか小さい食べ物)とか遠目にはよく判別できない物が多いように感じた。あと、キャラが小さいとは感じないが、カメラが寄り過ぎで周囲を把握にしくく、画面外から攻撃が頻繁に入るのはやや理不尽で、ここは短所と言えそう。

・『フィールドスマッシュ』モードは難度設定ができず、やたら雑魚が強くてボコ殴りにされやすく、思ったほど敷居は低くない。手軽に楽しむ…とは行かないのは残念かも。正直遊ぶのが疲れる程に敵が強く、スタイルがガチンコ側に寄り過ぎてて元ネタと思われる『カービィのエアライド』の『シティトライアル』ほどの手軽さ・面白さは感じない。フィールド探索中は他のプレイヤーと一切干渉できないのも面白みが無い部分だと思う。

・隠れキャラの乱入とかやったらめったらCOMのAIが強く、手軽に遊びたい層にはちょっとキツそうな気がする。

<キャラ・バランス面>
・COMのAIは前作よりは改善している…が、低レベルでもやたらフラフラと動き回り無敵時間のある崖つかまりを意味なく多用するので少々ストレスが溜まる。あと、『最後の切り札』・『伝説のエアライドマシン』を取ると執拗に『プレイヤーばっか狙ってくる』の、あれはなんとかなんなかったのかなぁ…?効果が効果なだけに避けられないので取られる→プレイヤーミスがほぼ確定してしまって、すんごい不公平感があるんだが…。

カウンター系の技を持つキャラが総じて強過ぎる印象。過去作の時点で充分強かったのに更に性能強化されてない、これ?カウンターは投げには無効だから投げを多用すればいいのかと言うと、このシリーズは投げが弱い(ダメージも極少・ふっ飛ばし能力もほぼ無い・コンボにも繋げにくい)ので投げられるリスク承知でカウンター多用の方が結果的に強い。リスクとリターンが釣り合ってないような…?

・Miiや各キャラの技をカスタマイズできるのは良いが、1人用モードのフィールドやクリア景品でランダムに手に入るのを期待するしかない(しかも平気で被る)ってのはどーかと思った。あれこれ使いたいのに一向に揃わんってのは結構なストレスに繋がる。フィギュアショップみたいに店でコイン消費して買えるようにとか出来た方が絶対良かったと思う。

・GC『カービィのエアライド』以降、桜井氏のゲームでは絶対付いてる『クリアゲッター』(XBOXの実績みたいなやつ)。あれ、作品を重ねる毎に内容がどんどん過激化してってついてける気がしない。難しい遊びを好む人間には良いのかもしれんが、ついていけない(恐らく多数の)人間側にとっては、どう足掻いてもクリアできそうもない物が要素として数値目標化されてゲーム内で『これを出来なきゃ完全に遊び倒したとは言わせない』と踏ん反り返ってるのが、(そこでしか手に入らない要素がある関係上)少々不愉快でもあったり。あんまりゲーム側に遊び方まで強制されるのは気分的にはよろしくない。上記のバランス面・要素の複雑化と合わせて敷居の高さと言う点での今後への懸念材料だと思う。

・人選面での不満点はどう足掻いてもどっからか不満点は出てくるだろうし、別に多くは語りたくない(し、語らなければならん程偏りがあるとも思わない)…が、桜井氏が手掛けた『新・パルテナの鏡』1作からのキャラ・要素がやたら多過ぎる点は気になる。アイスクライマーとか3DSの性能がネックになって削られたキャラもいるが、シリーズとして存続してない事を考慮すれば仕方ない面もある。

<その他>
・BGMは前作から引き続き、著名なゲームのサウンドクリエーターがウン十人参加って事で豪華な事は豪華なのだが、「んー、なんでその曲をそうアレンジしちゃうかなァ…!?」的なのも割と多く、夢の競演って言うよか闇鍋的なノリな点まで前作から変わらず。良い曲だからスマブラで採用したわけであり、原曲の面影を殆ど残してない過度のアレンジを施すってのは違うよーな気がする。あと当然ながら、これだけの人数の著名・個性派作曲陣が好き勝手にアレンジしてるだけあり、一本の作品としての統一感は全然ない。

<以下はスコアには反映してない気になった点>
・マニア心をくすぐるキャラの人選が多いのだが、子供はおろか20代後半以上でも「誰それ!?」状態になると思われるキャラもいなくはない(発売から間が空いてないから名前は挙げんが)。個人的にゃ町一番の任天堂マニアを自認してるくらいなんで知らないキャラなんてもちろんいませんがね!!2010年以降でも売上10万程度と決して多くない『ゼノブレイド』からの参戦もあったり(※ゼノブレ自体は間違いなく傑作なので未経験の方は是非遊んでみるとよひぞ!!)、初代・DXのような「誰でもほぼ全員知ってる」級の顔ぶれでないのも確か。

・激しい操作になりがちで過去作でスマブラのためにコントローラ数個を潰した経験がある身としては、ボタンの摩耗とかが気になる部分ではある。携帯機だと気軽に買い換えとか出来んですしな…。《追記》スライドパッドのゴム膜が剥がれましたorz。他のゲームではこういう事態は一切起きんかったので、やっぱスマブラならではの激しい操作が響いてるのは間違いないと思う。

・ゲスト参戦のパックマンとロックマン…それぞれバンナムとカプコンの社内的にはとっくに過去の人になっちゃってるキャラクターで新作もまず出ない(ソニックはまだ定期的に新作が出てるだけマシか)。そんなキャラをバンナムやカプコンよりも任天堂の方が大事に扱ってるというのが何とも皮肉。知名度だけは残ってるからコラボの具にして「貸し出して」 or 「借りて」ソフトメーカー同士の外交カード・パイプ作りに使っちゃお!…みたいな双方の思惑が透けて見えて、ちょっと気持ち的に複雑…。

・個人的にはこの手のジャンルのゲームでオンライン殴り込みとかあんまりやる気が起きん(ボコ殴りされるのが目に見えてる)ので別に重要視してないんだが、改造だのに手を出さずとも通常の必殺技でボムを取ると強制的に退室され一定時間ONに接続できなくなるバグ(ピーチ姫の↓Bで稀にボム兵が引っこ抜かれるのがアウトと判定される)は、普通に遊んでるユーザを巻き込む仕様で製品版に残ってちゃイカンかったと思う。速やかにパッチ修正が入ったが、印象としてはよろしくない。

・一部シリーズだけ妙に優遇されてる感あり。『パルテナの鏡』シリーズは2作しか出ていない(しかも最近出た『新』側のネタしかない)のに3枠もあり、おまけに同じ桜井氏が手掛けた『新パルテナ』発のネタがやたら多い、ファイアーエムブレムは普段で20万、売れて30〜40万程度なのに4枠確保(DLCで更に2枠追加)など、明らかに釣り合いが取れてない感あり。

・フィギュアの解説文は『MOTHER』シリーズや『ファンタジーライフ』の戸田昭仁氏が担当しているとの事で、一ひねり効いた面白い文もあるにはあるが、ギャグや項目に関して関係ない方向への脱線が多くて「説明にすらなってない説明」の比率がやたら高いのは考え物だと思う。
感想じゃい。
 シリーズ初の携帯機タイトルとなる本作だが、事前の期待通りの完成度の高さで安心して遊ぶ事ができるのが嬉しい。バランスがあんまり好みじゃなくてあんまり遊ばず終わったWii『X』よりもGC『DX』に近い感じで、メリハリのある挙動・しっかりスマッシュで吹き飛ばせる爽快感があるのがよろしい!!今年に出たシリーズ物だとWiiU『マリオカート8』やPS-Vita『俺の屍を越えてゆけ2』なんかは見事に期待を裏切られてしまったが、こちらスマブラはしっかり楽しめる仕上がりになってて安心した。発売日買いの新品で三発連続ハズレ引いたら、半年くらい立ち直れなかったかもしれんかった、あー危ねぇ(苦笑)。遊んでいてしっかり面白いと思えるから久しぶりに発売日・新品買いで買って良かったと思える内容だ。

 細かい気になった点も多いんで『短所』の欄に思った事をずらずらと列挙してはしまったが、スコアの通り『出来自体が悪い、というわけではない』ので、その辺はご安心を。ハードの関係上操作がしにくい(キー配置は変えられるがボタン数が足りないのでゲームキューブのコントローラと同等の操作はできない)、ロード時間が少々長い(前作よりはだいぶマシだが)、前作以前の作品からの素材の流用が目立つ等あるけど、まぁ『決定的にダメでストレス直結』・『バランス破綻!クソゲー一直線』レベルのものは現状では見当たらず、諸々の短所もまぁ些細なレベルだとは思う。ただ、システム面がシリーズ重ねるごとに複雑化していってユーザを振るい落としていく…っていう、格闘アクションでありがちな経過を見事に辿ってるように感じるのは、シリーズの今後を思うと不安な部分でもあり。

 任天堂とタッグと言う面ではGC『スターフォックスアサルト』で前科のあるバンダイナムコゲームスが開発を担当って事でちょっと不安視してたが、そこは天下の桜井師範。組む相手が誰だろうと自分色に染めて自在に動かし物を作らせる手腕はご健在の様子(ホッ)。


 3ヶ月遅れでWiiU版が出たけども、でかくて重い&キー配置がリセットされまくるWiiUゲームパッドで操作するくらいなら、むしろこっちの方が遊び易い。ネットでの対戦やゲームキューブコントローラで遊ぶので無ければ、別にこっちで新作のエッセンスは十分味わえるし、秒間60フレームでの滑らか動作も3DSの時点で達成しているから、細かいアイテム類の判別がつきにくい以外は特に不足は無い。内容自体はほぼ同等(ゲームモードはむしろこっちがマシな位)でこちらが更に2000円安い。オフラインで一緒に遊ぶメンバーがいるなら俄然、据置機であるWiiU版の方が適していると思うが、基本一人で遊ぶ・オンラインにさほど思い入れ無し・格闘ゲームが別段巧くない…とかどれか該当される方ならこっちで十分…と申すか3DS版の方が楽しめるかと思いますぞ。正直な所、もうちょっとWiiU版には頑張って欲しかった。

掲載日:2014年9月15日
更新日:2016年3月7日


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